【松本真由美の環境・エネルギーDiary】バイオマス発電、森林保全にも寄与 (1/4ページ)

2015.11.2 05:00

川崎バイオマス発電所のオペレーションルーム(川崎市)

川崎バイオマス発電所のオペレーションルーム(川崎市)【拡大】

  • 住友林業と住友共同電力が北海道紋別市で建設中の木質バイオマス発電所
  • 川崎バイオマス発電所のボイラー
  • 川崎バイオマス発電所のチップヤード
  • 建築廃材に混じった異物

 バイオマス発電所の新設計画が、最近、相次ぎ、2015年だけでも30カ所以上が稼働する見込みです。先日、川崎市にある“都市型”バイオマス発電所を見学する機会に恵まれました。木質バイオマス発電の可能性を探ります。

 ◆国内初の「都市型」施設

 川崎バイオマス発電所(出力3万3000キロワット)は、11年2月、住友共同電力、住友林業、フルハシEPOの3社が、「発電」「燃料供給」「チップ製造」での強みを生かし、共同で運転開始した国内最大級のバイオマス専焼発電所です。

 近隣のチップ製造会社や食品会社から年間12万トン、隣接するチップ製造工場から同6万トンの合計同18万トンの燃料を調達し、一般家庭4万世帯が1年間に利用する電力量を生産します。

 再生可能エネルギーでつくった電力の固定価格買い取り制度(FIT)開始前のRPS制度(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の適用を受け、発電した電気は新電力に売電しています。

 燃料に使用しているのは木質バイオマス100%のカーボンニュートラル=樹木の成長過程における光合成による二酸化炭素(CO2)吸収量と、伐採された樹木の焼却で排出されるCO2が相殺されること=な「CO2フリー電気」で、地球温暖化対策にも貢献しています。

 川崎バイオマス発電所の取締役総務経理部部長、中井芳弘氏に発電所内を案内していただきました。川崎市の厳しい環境規制をクリアした排煙脱硫装置や排煙脱硝装置、バグフィルターといった環境設備がそろい、多様な燃料に対応するため循環流動層ボイラーを採用しています。屋内管理型のチップヤードには、約10日分に相当する最大6000トンの燃料を保管でき、粉塵(ふんじん)、騒音、悪臭の問題が起きないよう周辺環境に配慮されています。

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