全国最大の指定暴力団山口組が神戸市灘区の総本部前で毎年10月末、子供たちが近所の家をめぐって菓子をもらう欧米の行事「ハロウィーン」に合わせ、近隣の子供たちに菓子を手渡ししていた行事が今年は中止されることが21日、捜査関係者への取材で分かった。この日午前、総本部の出入り口の外壁に「諸般の事情により中止する」などとする紙が掲示された。
山口組をめぐっては8月下旬、直系13団体の組長が組を離脱し、新たに神戸山口組を結成。その後、抗争を警戒する警察当局が組関係者の摘発や家宅捜索を進めている。兵庫県警の捜査関係者は中止について、「分裂後の情勢から、子供たちを抗争の危険に巻き込んではいけないと考えたのではないか」とみている。
捜査関係者によると、山口組は毎年10月31日、総本部を訪れる地域の子供たちに組員らが直接菓子を手渡してきた。