2015.8.28 10:45
分裂前の指定暴力団山口組の組織図【拡大】
事実上の内部分裂状態となった指定暴力団山口組。背景には有力2次団体弘道会による支配への、内部の鬱積した不満があるとみられる。巨大組織の分裂で山口組執行部と離脱した新組織の双方が全国の他の暴力団組織と連絡を取るなど、外部に向けての多数派工作も始まっている。今後、国内の暴力団情勢が一気に流動化する恐れもあり、警察当局は警戒を強めている。
「もうこのような状態になったら、大きな音(銃弾の発射音)をさせずに済ますのは難しいかもしれない」。山口組系のある組幹部は、対立抗争事件が起きる可能性を指摘する。
警察当局によると、分裂の背景にあるのは山口組2次団体の2大派閥の弘道会と山健組の勢力争いだ。
弘道会は篠田建市組長や、ナンバー2の高山清司若頭の出身母体で、山健組は5代目組長(故人)の出身母体。平成17年7月に篠田組長による6代目体制が発足して以降、主要ポストはそれまで最大勢力だった山健組から弘道会へと徐々にシフトしていった。