2015.8.14 06:38
グローバル展開する企業が特許や商標権などの知的財産を税金の安い国に移して節税するのを防ぐため、経済開発協力機構(OECD)が大筋でまとめた国際ルールの概要が13日、分かった。
知財を移した後でも、税務当局が追加で課税できる仕組みで、9月にOECDの租税委員会で承認し、11月に開催される20カ国・地域(G20)サミットで採択される見通し。
多国籍企業の知財をめぐっては、大手製薬企業やIT企業が、ケイマンやバミューダ諸島など低課税国につくった子会社に特許を移転し、使用料やロイヤルティーなどの収益をため込んで、本社所在国の課税を回避するケースが後を絶たない。
本社所在国の税務当局は、企業が知財を他国に移す際、譲渡額に応じて課税できる。だが譲渡額の適正価値を見極めるのは難しく、企業側が「あまり価値がない特許」などとして、不当に安く譲渡額を設定すれば税金は安く済む。その後、移転先の子会社が多額の特許料を稼いでも、本社所在国には税収が入らない。