九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の地震対策は不十分として、周辺住民らが再稼働の差し止めを求めた仮処分申し立てで、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日、却下する決定をした。関西電力高浜原発3、4号機をめぐる同様の仮処分申し立てでは、福井地裁が14日、再稼働を認めない決定を出しており、判断が分かれた。
夏に1号機の発電を開始する九電の計画は、再稼働を差し止めないこの日の決定によって現実味を帯びる。原子力規制委員会の優先審査により、新規制基準下で最初に合格した川内原発が再稼働に向け一歩進んだ形で、政府の原発政策には追い風になりそうだ。
仮処分は、川内原発の運転差し止めを求める訴訟の原告団の一部が昨年5月、訴訟は時間がかかるため、暫定的な判断を求めて申し立てていた。