広島空港でソウル発のアシアナ航空162便エアバスA320型機が着陸に失敗した事故で、同機が計器で正確に誘導できない反対の東側から滑走路に進入し異常な低空で主脚を滑走路手前の無線アンテナ(高さ約6・4メートル)に接触させていたことが15日分かった。
風向きの関係から、反対からの進入になったとみられるという。計器の誘導を受けられず、天候不良も重なり、機長が滑走路の場所を誤認して事故につながった可能性もあり、国土交通省などが詳しい状況を調べている。
国交省などによると、広島空港は標高が約330メートルの山間部に位置。霧などの影響を受けやすく、より精度が高い計器着陸装置(ILS)と呼ばれる無線アンテナが空港東側に整備されていたという。
アシアナ機は、滑走路手前約320メートルにある、このILSに接触。国交省によると、アンテナの半分くらいが損傷しているという。
ILSは、滑走路の西側に向けて電波を出し、航空機を誘導。しかし、反対の東側からの進入には、対応していなかったという。国交省は「広島空港で多い風向きを考慮し設置されていた」と説明している。