インターネットへの接続を中継する「プロキシ(代理)サーバー」で、違法入手した基本ソフト(OS)を使用していた疑いが強まったとして、警視庁や神奈川、埼玉など20都府県警の合同捜査本部は19日、著作権法違反などの容疑で、サーバーを運営していた東京都台東区の中国人の業者などの家宅捜索に入った。捜索場所は東京や埼玉、栃木、大阪、京都、和歌山、鹿児島など全国数十カ所。捜査本部は、中国人の運営業者や関係者ら10人以上を逮捕する方針。
プロキシサーバーは利用者と接続先を中継するサーバーで、接続管理の簡易化や接続速度を速くする目的で設けられる。サーバーを経由すると利用者のIPアドレス(ネット上の住所)がサーバーのIPアドレスに置き換わるなどして匿名性が確保されて特定が困難になるため、海外からのサイバー攻撃やサイバー犯罪の温床になるとともに、捜査の壁となってきた。
捜査関係者によると、捜索対象となったのは、日本国内で中国人の複数の業者などが運営するサーバー。米マイクロソフトが著作権を持つOSを違法にダウンロードし、サーバーにインストールして著作権を侵害した疑いが持たれている。
サーバーは、ネットバンキングの不正送金事件や、オンラインゲームの不正ログイン事件などにも悪用されていた疑いがあり、捜査本部は、ネットの接続に他人のIDとパスワードを使った不正アクセス禁止法違反容疑でも捜査する。