■サイバースパイ対策を急げ
今年5月、米司法省は中国の軍人5人を経済スパイ法違反などの罪で起訴した。起訴状によると、彼らは上海に拠点を置く人民解放軍のサイバー部隊に所属しており、原子力大手のウエスチングハウスや鉄鋼大手USスチールなど5社と米鉄鋼労働組合のコンピューターに侵入し、ビジネス情報を盗み出したという。中国にいながらコンピューター技術を使い、遠く離れた米国企業のコンピューターに侵入し、秘密情報を盗み出したサイバースパイだ。
中国側はこれを否定するとともに、逆に米国からサイバー攻撃されていると反論している。
◆お寒い日本の防衛策
中国のサイバー部隊には、日本を担当する部隊があり、日本語の専門家が所属しているといわれている。元米中央情報局(CIA)職員、スノーデン容疑者に関する報道によれば、米国はサイバー技術を使って、日本を含む多くの国の情報を収集している。
日本は外国のサイバースパイの対象になっていると思われる。しかしながら、日本では、従来型の産業スパイに対する防衛策ですら不十分であり、ましてや新型のサイバースパイに対する対策はお寒い限りだ。
コンピューターシステムに対するサイバー攻撃は、コンピューターウイルスが検知されたり、一斉にサーバーにアクセスされてコンピューターがシャットダウンすれば気づく。しかし、サイバースパイに侵入され情報が盗まれても、サイバーセキュリティーにお金をかけてモニタリングしていなければ、気づかないことが多い。