■3月入院、6月に会話変調
STAP(スタップ)論文問題の渦中にいた理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)が5日、自らの命を絶った。再生医療研究の第一人者は、なぜ死を選んだのか。「言葉にならない」「理研が彼を追い込んだ」。同僚や研究者らに衝撃が走った。また、遺書には「教え子」の論文筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)を気遣う内容が記されていた。
笹井芳樹氏はSTAP問題の浮上後も細胞が存在する可能性を主張し続けたが、その裏側でストレスで1カ月近く入院するなど心理的に追い詰められていた。一方、見つかった遺書の中には「あなたのせいではない」「STAP細胞を必ず再現してください」と小保方晴子氏に宛てた言葉もあったという。
理研などによると、遺書は笹井氏のかばんの中に複数、秘書の机の上に1通あった。かばんの中は、小保方氏のほか、竹市雅俊センター長ら理研関係者に宛てたものだったという。