東京電力福島第1原発事故の風評被害に伴う損害賠償の不正請求事件で、警視庁組織犯罪対策3課は2日、詐欺容疑で、東京都練馬区豊玉南、NPO法人「東日本大震災原子力災害等被災者支援協会」(中野区)自称元理事、進藤一聡容疑者(42)ら4人を逮捕した。同課によると、進藤容疑者は容疑を否認、他の3人は認めている。
NPO法人は平成23年8月に復興支援などを目的に設立され、久間章生元防衛相(73)が理事長を務める。24年2~6月に十数社から計1億数千万円分の賠償請求手続きを代行しており、同課は不正請求を繰り返していた可能性があるとみて調べている。
逮捕容疑は同年4~5月、人材派遣会社が福島県内のホテルなどにコンパニオンを派遣しているように装い、「放射能漏れの影響でキャンセルが相次いだ」とする虚偽書類を東電側に提出し、約1200万円を詐取したとしている。これまでに逮捕された派遣会社関係者らの供述からNPO法人の関与が浮上した。
久間氏は産経新聞の取材に「1年以上前に辞任届を出した。報酬は一度も受け取っておらず、事件のことも知らない」としている。