ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件で、業務委託先のシステムエンジニアだった松崎正臣容疑者(39)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=がデータベース(DB)に直接アクセスせず、複数のサーバーを経由して顧客情報をコピーしていたことが、捜査関係者への取材で分かった。松崎容疑者は「ばれないと思った」と供述しており、警視庁生活経済課はDBの仕組みを熟知した上で偽装工作を図ったとみている。
捜査関係者によると、DBには松崎容疑者を含む数人しか直接アクセスする権限がなく、経由したサーバーには数百人がアクセス可能だったという。
松崎容疑者が顧客情報を売却していた東京都千代田区の名簿業者とは別の名簿業者に「サンプルを渡した」と供述していることも判明。生活経済課は松崎容疑者から複数ルートで顧客情報が流出した可能性があるとみて、解明を進める。
IT大手の「ジャストシステム」(徳島市)に顧客情報が転売されたルートにつながる名簿業者の一つは生活経済課の任意聴取に、名簿業者以外の個人から顧客情報を入手したことを示唆しているという。