通信教育大手「ベネッセコーポレーション」から顧客情報が大量に流出した問題で、顧客情報のデータベース(DB)を管理する下請け業者の派遣社員でシステムエンジニア(SE)の男が、警視庁生活経済課の任意の事情聴取に対し、「名簿業者に自分から買い取りを持ちかけ、数百万円で売った。ギャンブルで使った」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。
6月下旬の発覚直前まで、顧客情報のコピーと転売を繰り返していたことも判明した。生活経済課はSEによる単独犯行との見方を強め、不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で近く逮捕する。
捜査関係者によると、DBのアクセス履歴や売却先の名簿業者の記録などから、SEは問題発覚直前まで複数回にわたって顧客情報をコピーし、何度も転売していた。
SEは時期を置いて何度もコピーすることで、刻々と更新されている顧客情報も取得し、重複分を除いて名簿業者に販売していたとみられる。売却先の業者は任意の事情聴取に「SEと面識はなく、不正に入手したものとは知らなかった」と供述しているという。