特許庁は10日、「特許制度調和に関する国際シンポジウム」をホテルオークラ東京(東京都港区)で緊急開催する。発明公表から特許出願までの猶予期間である「グレースピリオド」(GP)はどの程度許容されるのか、に焦点を当て、特許制度ユーザーの視点から各国制度間の調和(整合性)について最新動向を討議する。「各国制度の違いを知らなくて『あっ、しまった』という苦い経験をしている中小企業、大学、研究機関の方々は多い」(岩崎晋国際政策課長)ため、こうした中小企業をはじめ、参加者を募集している(詳細・参加申し込みはホームページを「特許調和シンポ」で検索)。
経済のグローバル化の中で知財権も各国で取得する重要性が増している。しかし、特許制度は国ごとに違い、その整合性をとるための国際的な論議が世界知的所有権機関(WIPO)や日米欧の7カ国・機関からなる主要国会合(テゲルンゼーグループ)の場で進められている。
主な論点は、(1)GP(2)衝突する出願(出願済み未公開発明が他の後願案件を排除する効果問題)(3)18カ月公開(出願内容を出願18カ月後に全件公開する問題)(4)先使用権(出願前から使用されていた特許発明を使用する権利の問題)-など4点となっている。