理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が作製した「STAP細胞」を基に作ったとされる細胞の遺伝子を第三者機関が解析したところ、別の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)の標準的な特徴の一部が確認されたことが15日、分かった。論文の記述と矛盾しており、STAP細胞が実はES細胞だった疑いが一段と強まった。
第三者機関に解析を依頼した論文共著者の若山照彦山梨大教授が16日、記者会見して発表する。STAP細胞の新たな疑義について共著者が発表するのは初めて。理研も独自の解析で同様の結果を得ているとみられ説明を求められそうだ。
解析したのはSTAP細胞に増殖能力を持たせた幹細胞。小保方氏が論文で使用した8株を若山氏も保管していた。論文では、紫外線を当てると光る緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を18番目の染色体に組み込んだマウス同士を掛け合わせて作製したと記述されていた。
ところが第三者機関が解析した結果、GFPの遺伝子は8株の全てで15番目の染色体に組み込まれており、論文の記述と矛盾していた。ES細胞は、この遺伝子を15番目の染色体に組み込んだものが標準的なタイプとして広く使われており、関係者は「STAP細胞がES細胞由来だった疑いが一層強まった」と指摘している。