□横浜国立大学大学院特任教授・太田健一郎氏
■南米からの水素輸入を実現したい
--水素は現在、石油製品や天然ガスなど化石燃料からつくっている
「将来的には再生可能エネルギーの電力で水を電気分解して水素をつくるのが理想で、それをグリーン水素と呼んでいる。水の電気分解は以前から工業用として利用されているが、燃料として経済的に大量生産し、それをどう輸送するかが課題だ。再生エネから水素を製造する国の10年計画が始まったが、その計画には水電解も入っている」
--水素輸送は液体が現実的か
「液体水素だとマイナス250度まで冷やす必要があり、その分、コストはかかる。ただ、千代田化工建設は有機化合物である有機ハイドライドを使った水素の大量輸送技術の実証実験を始めている。有機ハイドライドは触媒反応で液体水素を貯蔵したり取り出したりできる。全部のプロセスが液体なので、現在のインフラも使える日本発の面白い技術だ」