特許庁は4月1日付で、総務部総務課に広報室を新設し、特許審査第3部の菅野智子・主任上席審査官を初代広報室長に任命した。2年前から総務部企画調査課に広報兼務担当官1人を配置してきたが、専門部署を設けて機能強化を図る。菅野室長に広報室新設の狙いなどを聞いた。
--初代の広報室長となった感想は
「3月下旬に突然内示を受けて驚いた。昨年7月、審判部門から審査部門へ異動し、主任上席審査官に昇任して化粧料(化粧品)審査の担当管理職にようやく慣れたところだった。広報業務は数年前、企画調査課技術動向班長のとき特許出願技術動向調査の記者会見を4回、テレビ番組で調査結果を紹介した経験がある程度だ」
--広報室新設の背景と狙いは
「以前から特許庁の広報が十分ではないとの指摘があった。羽藤秀雄・特許庁長官も経済産業省時代に広報室長の経験があり、広報の重要性を説かれていた。広報室の使命は情報公開を促し、特許庁の活動の認識と理解を国民に高めてもらうこと。これまでも部門ごとに、マスコミを通して企業や国民に情報を発信してきたが、今後は情報を一元化し、計画的な広報を実施していきたい。法制度改革の解説や、新たな審査基準の説明などの発表も迅速化する。海外にも積極的に情報発信できる体制を構築し(海外の企業、発明者などへ)特許庁の優秀性や活用優位性を説明し、国際的なプレゼンスを高めたい」