下村博文文部科学相は9日の閣議後会見で、世界最高水準の研究を目指す「特定国立研究開発法人」に理化学研究所を指定する法案について、今国会への提出を見送ることを明らかにした。
下村文科相は、理研を同法人に指定し、優秀な研究者を確保するための新法案について、山本一太科学技術担当相と協議。「理研のSTAP(スタップ)細胞論文問題への対応を見極めた上で、可能な限り今国会で成立させたいと考えていたが、現在の理研の検討状況を踏まえ、残念ながら、今国会での提出は見送らざるを得ないという結論に至った」と述べた。
一方、「理研が説明責任を果たせば、秋の臨時国会に出すことも考えたい」と引き続き検討する意向を示した。
理研の調査委員会が小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)の研究不正を認定したことについては「小保方さんが自分の研究は誤りではなかったと自らが証明する努力をするほうが、科学者として適切な判断だ」と述べた。