世界から喝采を浴びた笑顔の記者会見から2カ月。理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが発表した新型万能細胞「STAP細胞」の論文は多くの疑惑を指摘され、ついに「捏造(ねつぞう)」と認定された。「リケジョ」の成果と注目を集めた論文は、白紙撤回に追い込まれる見通しとなった。
「新たな生物メカニズムを発見しました。成長した細胞が赤ちゃん細胞になるようなものです」
1月末、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)で開かれた記者会見。小保方氏は人気ブランドのミニスカートや指輪を身につけ登壇し、晴れやかな表情で成果を説明した。
会見後には壁をピンクや黄色に塗った自分の研究室で、白衣代わりの割烹(かっぽう)着姿で撮影に応じる姿がメディアに取り上げられ、人気が急上昇した。
だが2月初旬、論文の画像などに不自然な点があるとの指摘がインターネット上で相次ぎ、発表からわずか2週間で不正疑惑が浮上する事態に。
当初は若山照彦・山梨大教授ら共著者から「不作為の単純ミスではないか」と擁護論も出ていたが、3月に入ってSTAP細胞の万能性を示す重要な画像が、小保方氏が早稲田大に提出した3年前の博士論文の画像と酷似していることが判明し、疑念は深まった。