2014.3.15 05:00
「年度末が近づき、海外の知財ブローカーが入れ代わり立ち代わりコンタクトしてきている。結構、欧米系の“いい筋”が来日している」と語るのは国際的な知財取引を仲介している日本人事業者。狙いは粛々と事業の入れ替え準備を進める日本企業だという。「いい筋」とは、買い手側に海外の有力事業会社の顧客を持っていることだ。近年、買い手は知財訴訟狙いのNPEs(知財活用で収益を上げる事業主体)が目立ったが、知財の事業化を目指す正統派が日本へ目を向け始めたようだ。
一方、最近の新しい動きとして「アジアの企業などから自社の技術を日本企業で活用できないか、という相談が増えている」(別の日本人事業者)という。日本企業は自前主義意識が強く外部の技術導入に慎重で、技術力は日本の方が上との意識があるため一見難しそうな案件だ。しかし売り手側は、新興国が成長しアジアでの知財取引が活発化する中で、知財の活用先として中小企業も含めた日本企業を有力な市場として捉えはじめた。
ターゲットになった中小企業の意識はどうか。ある知財支援団体の幹部は「知財を活用して高い収益を上げているスマートな中小企業は少なくないが、大多数は10年前とあまり変わらないのではないか」とみる。