H2Aロケット23号機の打ち上げが成功した鹿児島県の種子島宇宙センターでは、降水観測衛星の開発に携わった日米の関係者や、相乗りした超小型衛星を作った大学生らが喜びと安堵(あんど)の表情を浮かべた。
打ち上げ後の記者会見は“サプライズ”で始まった。視察で訪れたキャロライン・ケネディ駐日米大使が突然、会場に姿を見せ、笑顔で数分間のスピーチをした。
ケネディ大使は、閃光(せんこう)とともに闇の中を機体が上昇していった未明の発射について、「本当に素晴らしい日を迎えることができた。大変なインスピレーションを受けている」と感想を述べた。
さらに大使は、人類初の月面着陸を実現したアポロ計画を提唱した父親のジョン・F・ケネディ元米大統領について触れ、「(父は)宇宙の研究や探査が人々の生活をより良くし、平和をもたらすのに大きな力を持つと信じていた。今日のことは、私個人にとっても感慨深い」と語った。
衛星開発を指揮した日米の責任者も続いて会見。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小嶋正弘プロジェクトマネージャは、日本が開発した衛星の心臓部のレーダーについて「出番が間近に迫り、わくわくしている」と喜びを語った。