【生かせ!知財ビジネス】STAP細胞陣営の特許戦略に注目 (1/2ページ)

2014.2.15 05:00

 世界中を驚かせた「STAP細胞」。知財専門家の間では特許出願戦略に注目が集まり始めている。

 米国のブリガムアンドウィメンズ病院(BWH)、理化学研究所、東京女子医科大学は「GENERATING PLURIPOTENT CELLS DE NOVO」という特許を米国でPCT(特許協力条約)国際出願しており、今後30カ月以内に出願人が指定する国で国内手続きに移行し、各国の特許庁で審査される。

 日本の特許庁は「ぜひ日本で出願してほしい」とアピールする。約1カ月以内に結果を出す「スーパー早期審査制度」や海外で早期に権利取得ができる「特許審査ハイウェイ制度」があり、先行技術の有無を世界中の文献から調査する能力も高い。ウェブ上の面接審査で質の高い審査が海外でも受けられる。バイオ関連審査官70人余のほか、新しい任期付職員(審査官補)が7月1日に採用される予定で陣容の充実を図っている。

 ところで本発明は特許になるのか。発明を否定できる先行技術文献「X文献」が多数存在するのが気になる。「請求権利範囲が非常に広い。全74のクレーム(請求項)の第1クレーム“細胞へ刺激を与えて多能性細胞を生成する方法”が独立請求項で、他が従属請求項。製法特許が成立してもライセンスや権利の侵害の立証は難しいのでは」(政府系機関の知財担当)と懸念する。米知財法律事務所の弁護士は「独立請求項の権利範囲が広すぎるため各国特許庁の審査へ移行した際に拒絶される可能性がある。独立請求項に限定条件を入れることになるかもしれない。ライセンスなどの権利行使を考慮すると製法だけではなく、生成物(STAP細胞)に対する請求項があるほうが望ましい」とアドバイスし、強力なロビイストの米国医薬・医療機器業界がどう動くかも権利成立に影響を与える可能性があると指摘する。

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