東京の中小企業が共同開発した水深8000メートルの無人海底探査機「江戸っ子1号」の房総沖での潜水実験が21日に始まる。水深8000メートルでの水圧(1平方センチに800キログラムの圧力)に耐えられるかなどを検証し、実用化の可能性を探るのが目的だ。
江戸っ子1号は海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査船「かいよう」に載せ、21日午前9時に横須賀を出港。千葉県房総半島の東沖合いの日本海溝に探査機を投下する。水深8000メートルの様子の撮影、海底の土の採取なども行い、24日午前9時に横須賀新港に戻る。これまで水深7700メートルの魚類の映像が撮られたことがあり、もし8000メートルでの撮影が成功すれば世界で初めてとなる。
江戸っ子1号は特殊ゴム成形の杉野ゴム化学工業所(東京都葛飾区)やプレス金型の浜野製作所(同墨田区)など都内の中小企業4社が共同開発した。
探査機は高さ1.8メートルの金属の板に3個の耐圧ガラス球をはめ込み、中には照明器具やビデオカメラなどがある。