焼き肉店で客に牛の生レバーを提供したとして、京都府警が10月15日、食品衛生法違反容疑で京都府八幡市の焼き肉店長らを逮捕した事件は、一部で噂されていた“脱法レバー”“闇レバー”の存在を浮き彫りにした。
厚生労働省が昨年7月に生食用での提供、販売を禁止して以降、全国で初めての摘発に、焼き肉店が集まる大阪・鶴橋駅周辺では「安全な食べ方がないか模索していた時期だけに残念」と落胆する。しかし、「常連客しかいない場合は出すときもある」と問題の脱法レバーを扱ったことを漏らす店主もいた。生で出されても、客自らがテーブルで加熱調理すれば規定に反しないことが、脱法レバーの温床の1つになっており、店主らからは制度の徹底を求める声もあがっている。
常連客との暗黙の了解
「店として鮮度に自信が持てるレバーを仕入れている日に、常連客が『どうしても食べたい』と言ってきたら、生で食べると分かっていて提供するときはあるよ」
鶴橋界隈で、焼き肉店を営むある男性店主は、脱法レバーの存在をこう打ち明けた。