冬の電力需給逼迫(ひっぱく)が予想される北海道電力管内について、事前通知のうえ地域ごとに順番に電力を止める「計画停電」の導入を政府が見送る方針を固めたことが11日、分かった。
暖房需要が多い北海道での冬季の電力供給停止は「人命に深刻な影響を与えかねず、デメリットの方が大きい」(政府幹部)と判断した。ただ、火力発電所の出力増強だけでは供給力が不足する事態も予想されるため、数値目標付きの節電要請などの対策も検討する。
政府は12日から「需給検証委員会」を開き、今冬の節電対策などをめぐる方針を協議する。初日の会合では、今夏の節電実績の検証に加え、北海道電など電力各社が政府に提出した今冬の電力需給見通しをとりまとめ、11月上旬をめどに具体的な対策などをまとめる。
北海道電は、停止中の泊原発(泊村)が再稼働しなければ、12月から2013年2月の間の供給予備率(最大需要に対する供給余力)は、安定供給のために最低限必要な3%を下回る0.2~1.9%程度にとどまるとの見通しを9月に公表している。