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百貨店大手9月売上速報 昨年の駆け込み需要なく大幅減

 百貨店大手4社が1日発表した9月の売上高(既存店ベース、速報値)は、昨年9月に消費税率引き上げ前の駆け込み需要があったため、前年同月比3~4割減と大幅な落ち込みとなった。ただ、新型コロナウイルスの感染者数が再度増加していた8月と比べ回復の兆しも見えつつあり、政府の観光業支援策「Go To トラベル」など景気刺激策の“効果”に期待を寄せている。

 各社の9月売上高は、大丸松坂屋百貨店を運営するJ・フロントリテイリングが40・9%減▽高島屋が35・2%減▽三越伊勢丹ホールディングス(HD)が32・7%減▽そごう・西武が29・1%減-だった。昨年9月は宝飾品や家具といった高額品を中心に駆け込み需要が起きて2~3割増を記録。駆け込み需要のなかった2年前(平成30年9月)と今年9月を比べると、売上高の減少幅は10%前半~20%前半の範囲に収まっており、「新型コロナ禍からの回復基調に乗りつつある」(J・フロント)と見る向きが強い。

 三越伊勢丹HDでも主要3店の客単価は30年9月比プラスで、「来店客数も8月よりも改善して増えている。外出するようになってきている」と分析する。

 商品別では、高級ブランドのバッグや小物類が堅調さを見せる。J・フロントでは「海外旅行に行けないから国内店舗で買う動きが出た」ためか引き合いが強く、高島屋でも高級ブランドバッグや宝石、時計などの宝飾品が30年9月比2桁増を記録した。

 消費者の来店意欲が徐々に戻る中、「Go To トラベル」への対応も始まった。高島屋は1日から全店で地域共通クーポンが使えるようになり、三越伊勢丹でも店舗で使えるよう申請中だ。駅前立地の店舗では旅行客利用も多かったことから、今後の業績回復につなげたい考えだ。

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