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コロワイドが大戸屋TOB 子会社化で立て直し、対立激化も

 「牛角」などを運営する外食大手コロワイドは9日、定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)の株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。最大71億円を投じ、現在19.16%の株式保有比率を51.32%まで買い増して子会社にする方針だ。新型コロナウイルスなどの影響で大戸屋HDの業績は悪化しており、食材調達や配送の共通化を進めて立て直しを目指す。

 大戸屋HDは「現時点でコメントすることはない」とした。ただ、コロワイドによる子会社化には反対の姿勢という。経営をめぐって両社は以前から対立している。対象企業の経営陣から同意を得ず、一方的に行う敵対的TOBに発展する可能性が高い。

 買い付け価格は3081円、期間は7月10日から8月25日まで。大戸屋HDの8日終値は2113円だった。コロワイドの現保有分を含む買い付けの下限は45.0%とした。約6割を占める個人株主の利益に配慮し、TOB後も大戸屋HDの上場は維持する考えだ。

 コロワイドは6月の定時株主総会で、子会社化を見据え大戸屋HDに経営陣刷新を株主提案した。大戸屋HD側は反対し、否決された。コロワイドは2019年10月に大戸屋HDの創業家から株式を取得して筆頭株主となった。

 大戸屋HDの20年3月期連結決算の最終損益は上場以来初の赤字に転落した。新型コロナ感染拡大に伴う休業や消費税増税などが響いた。

 ■大戸屋をめぐる経過

 2019年10月

  コロワイドが大戸屋ホールディングス(HD)の創業家から株式を取得。筆頭株主に

 2020年4月

  コロワイドが連結子会社化を見据え、大戸屋HDに経営陣の刷新を求める株主提案

 2020年5月25日

  大戸屋HDが取締役会で株主提案への反対を決定

 2020年5月26日

  コロワイドが大戸屋HDの反対の意見内容に対して「当社に関して不正確な情報を公表した」と反論

 2020年6月5日

  大戸屋HDが従業員の有志、フランチャイズ加盟店から株主提案への反対の意見書を受け取ったと発表

 2020年6月25日

  株主総会でコロワイドによる株主提案を否決

 2020年7月9日

  コロワイドが大戸屋HDの株式公開買い付け実施を発表

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