経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)の菊岡稔社長は24日までに、共同通信のインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも千葉県茂原市などの国内工場では操業を継続していることで「(米アップルなどの顧客から)改めて信頼性を評価された」と強調した。
2~3月には中国での製造工程や部材の調達、物流の寸断など新型コロナ感染拡大の影響を受けたが、4月以降は「影響は収まっている」と説明した。
新型コロナをめぐって米中対立が激化していることを念頭に「(世界の状況が)デメリットにならないように上手に運営したい。チャンスもある」と述べた。主力製品のスマートフォン用液晶パネルに関して中国企業との競争が激化する中、日本企業としてアップルなどからの受注継続につなげたいとの意向をにじませた。
発表を6月下旬に延期した2020年1~3月期連結決算での営業利益の黒字化は「難しかった」と指摘。21年3月期の業績も「黒字化を目指すが、コロナによるリスク要素はある」と見通しの厳しさを示した。
シャープと売却交渉をしている白山工場(石川県)については「コロナの影響で思ったより時間がかかっているが、満足がいく形でまとまればいいと思う」と言及した。計130億円の架空在庫などが第三者委員会に認定された不正会計問題には「排除する仕組みを作りたい。ガバナンスを改善して、外部からの信頼を回復しないといけない」と話した。