金融

かんぽ生命、法令違反4年で73件 書類偽造など 件数拡大恐れも

 かんぽ生命保険が2015~18年度の4年間で、保険業法などの法令違反を73件確認していたことが5日、分かった。契約時に書類を偽造した事案などで、金融庁に報告している。かんぽ生命は不正販売問題で約3000万件の全契約について調査する方針で、違反件数は拡大する恐れもある。

 かんぽ生命を傘下に置く日本郵政グループは、顧客の不利益が疑われる契約が約18万3000件に上ると公表している。顧客の意向に沿った契約だったかどうかを全て調べるが、顧客が不利益に気づいていないケースもあるとみられ、新たな法令違反が発覚する可能性がある。

 法令違反は、15年度に16件、16年度に15件、17年度に20件、18年度に22件。日本郵政グループは7月31日の記者会見で、18年度の22件について金融庁に届け出たことを明らかにしていた。病気で通院していることを告知書に記載させないまま保険申し込みを受理したり、契約者に直接会わず、親族とのやりとりだけで契約したりした事例が既に判明している。一部の違反事例を記した社内文書で、「動機の大半は販売実績欲しさ」「営業成績が大きなプレッシャーになった」としている。

 販売を担う日本郵便は15年度に違法な保険募集をした局員に対する懲戒処分の基準を厳格化したという。

 保険業法は、保険の勧誘時に契約の重要事項を顧客に説明することなどを規定。違反が発覚した場合、保険会社は金融庁に報告している。

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