遊技産業の視点 Weekly View

 □ぱちんこジャーナリスト・LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■秋から年末に大量の遊技機入れ替え需要

 今年はホールにおける大量の遊技機入れ替え需要が秋から年末にかけて発生する。昨年施行された改正規則によって旧規則機は、経過措置によって旧規則下の検定・認定の有効期間内までの設置しか認められないからだ。なお、風営法施行規則が改正されていない場合は検定・認定が切れた状態での継続設置は合法である。

 今年の秋から年末にかけて、全国的に認定が切れるのが高射幸性遊技機と業界が自主的にカテゴリーしたパチスロの数機種である。その詳細数は不明だが15万台から20万台くらいといわれている。このほかにも通常の入れ替え需要があり、またぱちんこにも経過措置が切れるものもあることから、年末年始のホールの遊技機入れ替え需要は通常の時期とは異なり極端に急増する。一方、改正規則下の遊技機の販売台数が伸び悩んでいる。ぱちんこメーカー組合である日本遊技機工業組合の昨年度の証紙発給枚数(新台販売台数)は約125万枚と前年度比約8万枚減少した。

 パチスロメーカー組合の日本電動式工業協同組合(日電協)の昨年度の証紙発給枚数は約34万枚と前年度比約7万枚も減少である。パチスロの方が減少幅が大きいのはそれだけ型式試験に適合しづらい状況が今も続いているからだ。

 今年の秋から年末にかけての大型の遊技機入れ替え需要の多くはパチスロである。このため、日電協を中心に、ぱちんこ業界は懸命に型式試験の適合率向上に向けていろんな努力をしている。

 こういった業界の声に対応した形で、自民党の有志議員らが集まる、時代に適した風営法を求める議員連盟(風営法議連)は4月25日、国家公安委員長、警察庁生活安全局長、生活安全局保安課長らに対して、型式試験の改善などを求める提言をしている。

 型式試験の結果が出るのは申請してから1カ月以上要することが普通だ。今年の10月から大型の入れ替え需要発生ということであれば、もうタイムリミットはあと2カ月ほど。この間に型式試験を改善できるかどうか、注目だろう。

                   ◇

【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月から本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。

Recommend

Line Up

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus