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新型BMW3シリーズ、大型化はネガティブ要素か? 安易な判断は禁物 (1/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 新型BMW3シリーズは、大きく拡大して登場した。5シリーズとは言わないまでも4.5シリーズと呼びたくなるほどに堂々とした体躯をまとって姿を現した。(レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之)

 3シリーズはこれで6代目となる。デビューは1975年。それ以来、BMWの主力モデルとして世界で愛されてきた。すでに世界累計販売は1500万台に達したという。サイズ拡大は、これからも永続的に愛されるための施策に違いない。

 ただ、3シリーズが大きくなったことにネガティブな印象を持つ人もいる。3シリーズにはドライバーズカーとして適度にコンパクトなサイズ感が心地良かったからだ。狭い日本では特にそう思う。

 そしてもう一つ、サイズ拡大によって、あの軽快な走り味が薄れてしまうのではないかという不安を抱く人も少なからずいる。

 「鈍重な3シリーズなど魅力がない」

 「ゆったり走りたければ5シリーズを買う」

 そんな声を耳にもした。

 だが、物事を表層だけで判断してはならない。詳細にスペックを分析し、観て乗って、走らせた印象からすると、そういった否定的な思いはなかったのだ。新型3シリーズはたしかにサイズが大きくなったけれど、少なくとも走りに関しては鈍重にはなっていない。むしろ正常進化の域を超えて走りの精度が高まっている。3シリーズは6代目になっても、これまでの5代の3シリーズが築き上げてきた伝統を忠実に守りつつけているのだ。

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