大阪府松原市から和歌山県内の海岸沿いを経由し、三重県に至る近畿自動車道紀勢線で、未整備の和歌山県内の新宮南-新宮北(仮称)IC(インターチェンジ)区間に国の予算が配分され、事業化されることが29日、正式に決定した。
区間は新宮市内の4・8キロ。ほかにも三重県の紀宝(仮称)-熊野IC(同)間の事業化が決まり、高速道路で紀伊半島を一周する全長約340キロの全線開通に道筋がついた。
和歌山県道路政策課によると、新宮市内の区間は片側1車線。1日当たり9200台の利用が想定される。総事業費は約300億円。今後土地の調査や設計、用地取得などに着手する。完成すれば、県民や県外の観光客のアクセスが便利になり、大規模災害時には避難ルートにもなる。
和歌山県の仁坂吉伸知事は「紀伊半島一周高速道路は企業立地や産業振興、活力ある地域づくりといった将来のチャンスを保障し、大規模災害への備えとして必要不可欠。事業化着手は大変喜ばしい」とコメントした。