□セイコーエプソン社長・碓井稔さんに聞く
--2022年3月期までの3カ年の中期計画を発表した
「売上高目標は今期予想比12%増の1兆2000億円。1枚当たりの印刷コストが安いインクジェット複合機の優位性を訴求して、レーザープリンターからの置き換えを促していく。次の中計を通じて26年3月期に売上高1兆7000億円、事業利益2000億円を目指す長期ビジョン『Epson25』の達成へ向けた飛躍を図りたい」
--売上高1兆2000億円は、現中計の目標だった
「未達となる理由は、日本・西欧以外の地域で販売体制の整備が遅れたほか、レーザー機からインクジェット機への乗り換えが想定を下回ったためだ。しかし国内外で生産能力や研究開発能力を増強し、基盤は築けた。次は執行のスピードを加速し、高収益体質を目指す。産業ロボット分野での協業も積極的に進めたい」
--インクジェット機への置き換えをどう促す
「すでに世界累計3000万台を売り上げ、今期は920万台、前期比18%増を見込んでいる。『オフィスではレーザーが当たり前』という常識を覆すため、今後はボリュームゾーンを狙ってモノクロモデルなど中価格帯の機種を増やすほか、定額課金サービスの導入も検討している。大容量タンク式のインクジェットは消費電力量が少なく、従来のカートリッジ式と比べて環境にも優しい。消耗品で利益を上げる今までのビジネスモデルを転換する覚悟で広めていく」
--国内トップシェアのプロジェクターについては