アシックス 株主総会 成長戦略問う声相次ぐ

 アシックスは28日、神戸市内で定時株主総会を開いた。同社の平成30年12月期連結決算は、最終損益が203億円の赤字(前期は129億円の黒字)となり、20年ぶりの最終赤字を計上。赤字幅も過去最大となったことから、業績不振や今後の成長戦略について問う声が相次いだ。

 総会は331人の株主が出席。取締役の選任など4つの議案が承認され、93分で終了した。株主からは20年ぶりの最終赤字に転落したことを受け「近年の業績不振の理由を説明してほしい」「業績立て直しのための施策をどう考えているのか」など業績に関する質問が相次いだ。

 アシックスの広田康人社長は「販売管理費の見直しや、不採算店舗の閉鎖に取り組んでいる。マーケティングに注力し、前期(30年12月期)を底に反転攻勢に打って出たい」と説明した。

 また、来年の東京五輪・パラリンピックを見据え、広田社長は「平成31年は攻勢に転じて方向を固める年になる。戦略的なマーケティングに取り組み、32年の大爆発につなげる」と強調した。

 近年、世界でスポーツ用品メーカーによる激しい競争が繰り広げられていることも、株主から質問が飛んだ。マラソン、駅伝などで走るトップレベルのアスリートが独アディダスや米ナイキなどの世界のスポーツ用品大手に勢いを奪われているのではとの声に対し、アシックスの担当役員は「新製品開発などで対策に取り組む。世界のトップ選手と契約し、PRに努めたい」と答えた。