テクノロジー

「電動化」で世界市場に反転攻勢 パナソニック、スポーツ自転車を拡大 (1/4ページ)

 パナソニックが電動アシストタイプのスポーツ自転車の開発・販売を加速させている。2年前と昨年に本格的な電動マウンテンバイク(MTB)を国内市場へ投入し、今月には60万円(税別)の高級タイプも発売。さらに欧州向けには部品として電動駆動ユニットを輸出し、米国にもOEM(相手先ブランド供給)による完成車販売を予定している。同社の自転車事業は停滞が続き一時は撤退も検討されたが、電機メーカーの強みを生かせる電動化に勝機を見いだし、世界の電動自転車ブームに乗って反転攻勢に出ている。(上野嘉之)

 工場も電動向けにシフト

 2月中旬、自転車事業子会社のパナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)が本社工場をメディアに公開した。1階では、鉄のパイプを切断・溶接・塗装してフレームを作る伝統的な工程が行われ、従業員とパナソニック製のロボットが分担して進めていた。

 驚いたのは2階の作業場だ。ハイテクの検査機器が並び、電子部品が山積され、フロアの大半が電動アシストサイクルに充てられていた。パナソニックは電動車の国内市場シェア4割を握り、工場も電動を中心とする態勢や配置にシフトしてきたのだ。

 電動アシスト自転車の国内市場規模は2017年度で約64万台。そのほとんどは軽快車、いわゆるママチャリで、スポーツ車はまだ2%程度という。

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