日本ペイントホールディングス(HD)は27日の定時株主総会後に開いた取締役会で、代表取締役会長に産業革新投資機構(JIC)前社長の田中正明氏を選任した。田中氏は大阪市内で記者会見し、JIC退任後に複数の企業から経営参画を打診されたと説明。同HDを選んだ理由は「改革意識を持ち、グローバル化の体制も整った成長企業。私の経験が生かせる」などと述べた。
日本ペイントHDは海外事業が売上高の7割を占める。米銀行で頭取経験もある田中氏の国際的な人脈や知見を生かし、海外事業を強化したい考えだ。田中氏は今後の事業戦略について「海外展開はM&A(企業の合併・買収)も含めて積極的に行う」と語った。
同日の株主総会では、取締役の報酬総額の上限を年10億円から20億円に引き上げる議案も可決された。田中氏は会見で「報酬で仕事を選んだわけではない。報酬は指名報酬委員会で決めていただくこと」とした。