【健康経営 がんと向き合う】病気のことがよく分かる話 GMS・竹内規夫社長 (1/2ページ)


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 最近セミナーなどで、病気のことがよく分かる話をすることが増えている。がんや患者の状態をよく知らないと、治療法を探すことすらできないからだ。

 がんが部分的にとどまれば、手術や放射線のように部分的にしか効かない治療を選択するのは間違いではない。しかし、全身に飛んでしまうと部分的な方法では根本治療にならない。がんを知ることが、間違いのない治療法につながる。

 初めは1つのがん細胞から始まる。がん細胞の大きさは、1つが半径約0.01ミリ。もちろんPET(陽電子放射断層撮影)とCT(コンピューター断層撮影)の両検査が同時にできるPET-CTでも映らない。がん細胞には縦と横と高さがあり、3回分裂して半径0.02ミリでも肉眼では確認できない。30回分裂すると10億近いがん細胞に増え、1センチぐらいになる。

 この段階で初めてPET-CTなどで発見されるようになる。この時点で5~15年。早期発見といっても、これくらいの時間がたってしまう。

 転移・再発も同じだ。例えば内径0.3ミリのリンパ管をがん細胞が流れて、リンパ節に引っかかりリンパ転移が起きるとする。その時点で0.3ミリ以下。どんな検査でも発見できない。転移したがんが分裂し、1センチ以上になると初めて見つかる。

 こまめに半年や1年に1回がんの画像検査をしても、転移を発見できるのは、転移してから3~5年後でしかない。違う臓器に移っていると、基本的にステージ4になる。これは1ミリのがんが転移しても同じだ。1ミリのがんは見つからないのでステージ1とか診断されてしまう。

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