東京国税局主催の地理的表示「山梨」ワインシンポジウム2019が21日、都内で開かれ、筆者も出席した。昨今の日本ワインへの関心の高さを示すように定員300人を大幅に上回る参加申し込みがあり、会場は抽選で席を得た参加者の熱気が満ちていた。(酒サムライコーディネーター・平出淑恵)
山梨県は国内最多のワイナリー数を誇り、日本を代表するワイン産地として知られる。地理的表示「山梨」(GI Yamanashi)は、日本初のワインに関する地理的表示だ。GI Yamanashiの表示は、山梨県が産地であることと厳しい品質基準をクリアしたことを公的に保証するものだ。また、昨年から国産ブドウだけを原料にしたワインが「日本ワイン」とラベルに表示することになり、やっと日本ワインが国際舞台で戦える環境が整い始めた感がある。
シンポジウムは藤城眞東京国税局長のあいさつに始まり、ワイン法などに詳しい明治学院大学法学部の蛯原健介教授が基調講演を行った。
続けて酒類総合研究所の後藤奈美理事長をファシリテーターに、生産者、メディア、ソムリエら、各分野の専門家による山梨ワインを語るパネルディスカッションが行われ、長年関わってきた取り組みが披露された。
生産者からは「いかに山梨の風土をワインで表現できるか」と山梨らしさを追求してきた軌跡が熱く語られた。また、ワイン生産者15社や甲州市商工会、甲府商工会議所、山梨県ワイン酒造協同組合からなる団体「KOJ」(Koshu of Japan)が、10年取り組んできたロンドンでのプロモーション活動も紹介された。