□ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田
■有名人や著名コンテンツとのタイアップ
遊技機は、振り返ると10年、20年単位でモノとしての変化が著しい。
今から30年ほど前、SANKYOがオロチョンパという機種を出した。これは河内家菊水丸さんとのタイアップだ。液晶はなく、歌も流れるが今とは隔世の感がある。今なら大きな液晶上で本人出演のPVが普通に流れていることだろう。なお、オロチョンパは遊技機初の有名人とのタイアップ機だった。
20年ほど前は、遊技機に知名度の高いキャラクターやコンテンツをのせることが主流になっていった時期である。当時の遊技機は搭載している液晶のサイズの影響もあって映像容量も小さく、サウンド関係もまたチープなものが主流だった。しかし、ここから20年ほど経て、液晶サイズも巨大化し、搭載スピーカーも良くなり、風が吹いたりバイブボタンがあったり、ものすごく変化していく。今は映像とサウンドのクオリティも桁違いに向上した。
最近、著名人がドラッグで逮捕されて作品に大きな影響が出ていることが盛んに報じられている。遊技機が映像表示装置となることがほぼ当たり前になっているぱちんこ業界においても、実は似たようなことはしばしば繰り返してきた。過去、遊技機に本人映像を搭載していたものが販売中止となるケースはいくつもある。当該機種たちはそのほとんどが作り直される。本人出演部分がすべて撮りなおされることになって後にようやく販売となるのだが、これは某国営放送のケースとそっくりだ。
映像やサウンドのクオリティーを向上させていくと、テレビなどのメディアと同じように権利関係の処理をするようになっていくし、社会的に問題がありそうなものを打ち切る、撮りなおして差し替える、という対応も同じだ。
遊技機は、その映像について、警察庁からいわゆるエログロ系をのせないようにずっと各遊技機メーカーは指導されてきた。型式試験のチェックなど法的な義務も多く、そういう制約とともにこれからも著名コンテンツが採用されていくことになる。
◇
【プロフィル】POKKA吉田
ぽっか・よしだ 本名は岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長