日本郵便は22日、運転手が乗らずに限られた区域を走行する「レベル4」の自動運転車を使い、荷物を運ぶ実証実験を新東京郵便局(東京)で実施した。走行時のリスクなどを検証し、法整備が進めば、平成37年にも実用化したい考えだ。インターネット通販の拡大で宅配便が増加し、運転手不足が深刻化する中、自動運転車を対策の切り札にする。
実証実験は車両に宅配便「ゆうパック」を積み込んで構内の約1・5キロを走行。離れた場所から監視している状態で車両を走らせ、坂道走行や障害物前の一時停止などの動作を確認した。
今回はミニバンを使ったが、担当者は「次の段階では大型トラックを使って実験する」と述べ、技術的な検証をさらに積み重ねるという。
車両はあらかじめ走行ルートの3次元(3D)地図を取り込んでおり、ルート変更はできないが、「ルートから外れても走行できる技術の開発などが今後の課題」(担当者)という。
日本郵便は、人手不足対策で郵便物の土曜配達を取りやめ、平日のみの「週5日制」にすることなどを総務省に要望している。
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自動運転車 搭載したカメラやセンサーで周囲の状況を把握し、自動で走る車。ハンドル、アクセル、ブレーキのいずれかを自動で制御する「レベル1」▽ブレーキやハンドルなど複数の操作が自動となる「レベル2」▽一定の条件下で自動走行し緊急時に運転手が操作する「レベル3」▽エリア限定で全て自動化される「レベル4」▽運転手を必要としない完全自動運転が可能な「レベル5」-の5段階ある。