東電FP、JXTGと共同で水素事業 東京・品川で実施

 東京電力ホールディングス(HD)傘下で火力発電事業などを担う東京電力フュエル&パワー(FP)は22日、石油元売り最大手のJXTGエネルギーと共同で、燃料電池車(FCV)に水素を供給する「水素ステーション」の事業を東京都品川区で手がけると発表した。東電FPにとっては水素事業への初参入だが、4月以降は東電FPと中部電力が折半出資するJERA(東京)が引き継ぐ。

 東電FPが大井火力発電所(品川区)内の敷地の一部を貸し、JXTGが水素製造装置を備えた水素ステーションを建設。東京五輪開催を念頭に平成32年度初めの運用開始を目指す。

 水素ステーションの水素供給能力は「国内有数で、世界的にもトップ3ぐらいに入る規模」(JXTGの担当者)という。両社と大阪ガスの共同出資会社がつくる都市ガスを原料に水素を製造し、FCVや燃料電池バスなどに供給。JXTGが運営する首都圏の他の水素ステーションへの出荷機能も持たせる方向だ。

 JXTGは既に水素事業を展開し、全国41カ所の水素ステーションを展開。東電FPはJXTGと組んで水素事業のノウハウや知見を獲得する。東電FPは4月にJERAへの事業移管が完了するが、これに伴い水素事業も継承させる。