セブン-イレブン・ジャパンは21日から22日にかけて、実験的に営業時間の短縮に取り組むコンビニエンスストアを報道陣に公開した。深刻化する人手不足を受け、一部店舗が本部の意向に反し時短営業に踏み切るなど24時間営業の是非に焦点が当たる中、見直しの可能性を検証する。ただ、セブンは原則24時間営業を堅持する方針で、見直す場合も規模は限定的となりそうだ。
公開されたのは東京都足立区の直営店「セブン-イレブン本木(もとき)店」で、営業時間を午前5時~翌日午前1時にして実験。同店は22日午前1時に消灯後、駐車場も閉鎖された。近くに住む男性(29)は「深夜によく利用してきただけに不便になる」と困惑する。
セブンは、来店客や販売動向など24時間営業をやめた場合の影響を数カ月かけて検証する。
コンビニ研究家の田矢信二さんは「いつでも店が開いている利便性が失われると昼間の来店客も減る懸念がある」と指摘。こうした来店客減少の可能性と、夜間の人件費低減効果との兼ね合いを詳細に調査する。
また、深夜に納品を受ければ朝までに商品陳列を完了できるほか、「来店が少ない時間帯に清掃できる」(セブン関係者)。24時間営業を前提として工場で弁当などの製造計画も組まれ、全国に物流網も構築されているため、部分的な時短営業は「かえって非効率になりかねない」(同)面がある。
こうしたデメリットを上回る効果があるかも検証する。実験はフランチャイズ(FC)店にも広げる方針で、既に80店が参加要望を伝えている。
ただ、東日本オペレーション部長の飯沼一丈執行役員は21日、「24時間の原則は維持する。個別事情に応じ加盟店とは話し合う」と説明し、基本方針は変更しない考えだ。
コンビニの24時間営業をめぐっては、大阪府東大阪市のFC店が自主的に営業時間の短縮に踏み切ったが、「契約違反状態」と主張する本部側との対立が表面化した。 (柳原一哉)