改元にラグビーW杯…高額消費機運捕らえるか 時計大手が反転攻勢 (1/2ページ)

八重桜をテーマにデザインされたシチズン時計の「クロスシー」限定モデル(佐久間修志撮影)
八重桜をテーマにデザインされたシチズン時計の「クロスシー」限定モデル(佐久間修志撮影)【拡大】

 国内消費が足踏みを続ける中、「高額消費の代表選手」ともいえる腕時計のメーカーが反転攻勢に出ようとしている。腕時計市場では高価格商品の販売が回復傾向にあるほか、改元や国際スポーツイベントの開催も財布のひもを緩めるとの見立てだ。各社は新店舗の出店や収益性が高い限定モデルなどの発売で、販売加速を狙っている。

 2月上旬の東京・銀座。セイコーウオッチの体験型店舗「セイコードリームスクエア」には、観光客らがひっきりなしに訪れていた。セイコーは同じ銀座に旗艦ブランド「グランドセイコー」の専門店舗も本格オープンさせ、高橋修司社長は「高価格帯の品ぞろえを増やす」と意気込む。

 日本時計協会によると、腕時計の出荷額はアベノミクスの資産効果や中国人観光客の「爆買い」が一段落したことで平成27年をピークに減少傾向にあった。しかし29年には下げ止まりがみられ、高価格商品の多い機械式は増加に転じている。今年は改元やラグビーワールドカップ(W杯)などによる消費マインドの高まりや10月の消費税増税前の駆け込み需要も見込まれる。

 中国での景気減速や中国の転売業者を規制する法施行の影響も懸念されたが、「メード・イン・ジャパン志向の強い高級腕時計は、日本で購入されるものが多い」(業界関係者)。スポンサー契約などを結ぶ日本人プロスポーツ選手の相次ぐ活躍も追い風だ。

 各社は限定モデルなど高価格帯を強化しており、シチズン時計は2月、女性向けブランド「クロスシー」で白蝶貝の文字盤に八重桜のデザインをあしらったモデルを1500本限定で発売。5月からはラグビー日本代表の応援モデルを出す。狙うのはテニスの大坂なおみ選手の試合着用モデルでの成功の再現だ。

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