コンタクトセンターを評価するCOPC認証を15年連続で取得 日立システムズ

 日立システムズは、コンタクトセンターの運営管理手法を評価するグローバル規格「COPC認証」を15年連続で取得した。今回の取得により認証継続期間は世界一となった。また、日本におけるCOPC総代理店のプロシード(東京都千代田区)から、継続年数ごとに認証継続企業に贈られる「CXエクセレンス賞」のプラチナ賞も受賞した。日立システムズはコンタクトセンターによる各種の保守業務やサポート業務をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとして提供しており、今後は音声認識やデータ分析などを加えた「次世代コンタクトセンター」にも力を入れていく。

COPC認証取得による品質向上とノウハウの提供

 COPC認証は、米国のCOPC社が定めるコンタクトセンターやBPO業務での運営・管理改善モデルで、体系的なコンタクトセンター運営と高いパフォーマンスを発揮することで取得できるグローバル規格。日本では28組織、世界では96組織が取得している。日立システムズは2004年にCOPC認証を取得して以来、品質や効率など各パフォーマンスを高い状態で維持している。コンタクトセンタ&ビジネスサービス事業部の日野部長は「世の中の変化に基づき、サービスも変化しなければいけません。認証取得を維持することによって、一貫した改善活動を継続することができ、フロントラインの品質も向上します」と説明する。そのうえで、「世界基準をベースとした、付加価値の高いコンタクトセンターサービスを提供できます」と自信をみせる。

 また、同社は、こうした認証取得による事業改善ノウハウを生かし、コンタクトセンターの構築運用支援サービスも展開している。「現状分析」「改善立案」「改善導入支援」を行い、顧客の業務プロセス改善、サービス向上、収益改善などにつなげる。また、ITベンダーとして、情報の一元管理や見える化、分析など導入後の継続支援も可能だ。

一つ一つバラバラではなくトータルに解決

 現在、同社が力を入れているのが「次世代コンタクトセンターサービス」だ。これまで培ってきたコンタクトセンターのノウハウを活用し、音声認識システムやデータ分析、セルフサポート、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=ロボットによる業務自動化)による定型業務の自動化サポートなどを提供する。

 例えば、音声認識システムは、オペレーターと顧客の会話をリアルタイムでテキスト化し、NGワードを検出して表示させたり、キーワードからファイルを呼び出して手続き関連の情報などを呼び出せる。経験の浅いオペレーターでもシステムがアシストしてくれることで、安心して対応することができ、顧客のサービス品質も均一になる。また、管理者は複数のオペレーターを同時に見ることができる。同社のコンタクトセンターでは、応対品質を10%以上向上させるとともに、オペレーターの評価に要していた時間を50%削減している。データ分析を組み合わせることにより、商品開発や業務改善に生かすことも可能だ。

音声認識システム「AmiVoice CommunicationSuite」管理者画面例(アドバンスト・メディア提供)

音声認識システム「AmiVoice CommunicationSuite」管理者画面例(アドバンスト・メディア提供)

 また、RPAによる定型業務の自動化サポートでは、RPAの導入によりミスがなくなり、事務工数削減と生産性向上を実現する。同社では、自社の営業バックオフィス業務に導入し、受注に関わるメール情報約1万件の営業事務作業をロボットに代行させた結果、作業時間で60%、コストで約1200万円の削減を実現した。同事業部の大澤主管技師長は「当社はコンタクトセンターだけでなく、業種SIを通したITノウハウやツール、セキュリティサービス、データセンターサービスなどさまざまな知見をもっています。長年のノウハウを活用して人手不足や働き方改革など、顧客に価値あるサービスを一つ一つバラバラではなく、融合して提供できるのが我々の強みです」と話す。