KDDI、危険な場所でドローン活用 建築物の保守点検に

人に代わって、危険な作業現場での活用が期待される小型無人機「ドローン」=6日、東京都千代田区
人に代わって、危険な作業現場での活用が期待される小型無人機「ドローン」=6日、東京都千代田区【拡大】

 KDDIは6日、建築物の保守点検や農業などでドローン(小型無人機)を活用する法人向けサービスを6月から開始すると発表した。鉄塔や発電設備の保守点検など危険の大きい作業を人の代わりに行うことで安全性向上と作業の効率化を両立する。第5世代(5G)移動通信方式でより鮮明な画像をやりとりできるようになるため、市場の拡大も期待されている。

 新サービスは、鉄道や道路など広域にわたる設備をドローンが巡回して異常を検知したり、鉄塔などの周辺を自動飛行し、指定した場所をカメラで撮影して点検したりする。実証実験では、必要な作業員は従来の半数で済み、作業時間も半分に短縮したという。

 ドローンの運用に必要な無線局開設や飛行申請などをKDDIが代行。今夏までに風力発電設備の点検や農場で農薬散布などのサービスを追加する。初年度は数十億円の売り上げを見込んでおり、平成35年度までに100億円超を目指す。

 今秋から本格運用が始まる5Gを活用すれば、より高精細な4K映像を通信できるようになる。4K映像は人の目と同程度の解像度といわれており、点検の精度も高まる。