自動車総連が要求状況説明 ベアだけでなく「絶対額」引き上げ重視

 自動車関連企業の労働組合で構成する自動車総連は4日、平成31年春闘の要求状況を発表した。同日現在で1094組合中967組合が要求。このうち640組合が、定期昇給や従業員の賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)を含めた賃金の「絶対額」引き上げを要求し、30年春闘での501組合を大きく上回った。「ベア偏重からの脱却」が焦点となる中、絶対額引き上げを意識した労使の議論を深め、中小企業と大手企業の格差是正につなげたい考えだ。

 自動車総連は31年春闘でベアの金額を掲げず、各労組が個別の事情を踏まえて絶対額引き上げの具体的な目標を想定することで、大手と中小の格差是正を目指す方針を掲げている。

 同日、東京都内で記者会見した自動車総連の金子晃浩事務局長は「絶対額(引き上げ)をこれまで以上に重視した取り組みが広がっている」と評価した。

 ただ、米中貿易摩擦の影響に加えて。電気自動車(EV)や自動運転など次世代技術の開発競争が激化する中、業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、経営側とどこまで折り合えるかが焦点となる。