三菱UFJが独銀行大手から7000億円規模で航空機ファイナンス買収へ

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は1日、ドイツ大手銀行DZバンクの子会社から航空機ファイナンス事業を買収すると発表した。買収額は7千億円規模で、銀行へのM&A(企業の合併・買収)を除く金融事業の買収では同社として過去最大となる。

 関係当局の承認を前提に今年後半までに買収を完了する予定。グループの三菱UFJ銀行が航空会社や航空機リース会社に対する貸出債権約56億ユーロ(約7100億円)と事業基盤を譲り受け、東銀リースがファンドの運用や航空機資産の管理など一部の事業を担う。

 三菱UFJFGは、超低金利の長期化で利ざや(貸出金利と預金金利の差)が縮小する中、収益拡大に向けかねて航空機分野を成長戦略の柱と位置づけてきた。今回の買収により航空機分野の貸出債権は「ほぼ倍増する」(担当者)。

 航空機市場はアジア新興国の中間層増加で拡大しており、新造航空機向けの資金需要は2022年まで年率9・1%で増加するとの推計もある。他の国内金融大手も強化策を打ち出しており、三井住友FGは今年1月、航空機リース事業用に欧州の航空機大手エアバスから65機を追加購入する契約を結んだと発表した。