【関空再生(中)】蓄積した技術 連絡橋復旧で発揮 (1/4ページ)

新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
新しい橋桁が架設される前の関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)【拡大】

  • 新しい橋桁を架設する作業が進む関西国際空港連絡橋=2月12日、関西空港沖(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

 2月12日深夜、大阪・泉州沖。クレーンにつるされた長さ約90メートルの橋桁が、ゆっくりと関西国際空港の連絡橋に近付いた。「感慨深い」。作業を見守ったNEXCO西日本関西支社の佐溝純一・橋梁(きょうりょう)担当部長はようやく緊張を解いた。

 「見たこともない壊れ方だ」。昨年9月5日早朝、同じ場所にいた佐溝氏は呆然(ぼうぜん)とした。最大4メートルずれた1千トン超の橋桁。橋桁を支える厚さ11ミリの鋼板にはぽっかりと穴が開いていた。前日4日昼過ぎ、台風21号の強風でタンカーがぶつかる惨事。現場修理は不可能と判断し、橋梁メーカーに協力を打診してはいた。だが「修理はいつまでかかるか」。不安に包まれた。

 道路が頼みの綱に

 衝突直後、連絡橋は絶望的な状況にみえた。約8千人が取り残された関空島。タンカーが衝突した下り車線側の橋桁の影響で鉄道部分も損傷し、道路が頼みの綱となった。

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