オランダ政府、エールフランスKLM株を買い増し 仏は不快感

エールフランスKLMのロゴマーク(ロイター)
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 【パリ=三井美奈】オランダ政府は2月27日、航空大手エールフランスKLMの株式を買い増し、出資比率を14%に高めたと発表した。筆頭株主のフランス政府(14.3%)とほぼ横並びになった。蘭政府による突然の「攻勢」について、マクロン仏大統領は「寝耳に水だ。説明を求める」と不快感をみせた。

 蘭政府は同社株5.9%を保有していたが、26日夜に「12.68%の株式を取得した。仏政府と同等の地位を目指す」と発表。株買い増しは、この発表の直前に仏政府に伝えられた。

 フクストラ蘭財務相は国会への書簡で、出資比率の引き上げは「同社の将来への発言力を行使し、オランダの公益を守るためだ」と表明。昨年、KLMは同社全体の営業利益の8割を稼ぎ出したが、最高経営責任者(CEO)の後継人事などで要求が反映されず、蘭側に不満があったとみられている。

 同社は2004年、オランダのKLM航空、フランスのエールフランス航空の経営統合で発足。エールフランスの収益は当時、KLMの2倍近くにのぼったが、近年は従業員の長期ストなどで業績が伸び悩んでいる。仏蘭両政府は、3月1日に閣僚級の協議を行う見通し。