伊藤忠、デサントとの対話打ち切り 臨時株主総会の招集か

 伊藤忠商事は28日、スポーツ用品大手デサントに対する株式公開買い付け(TOB)をめぐって続けてきた話し合いを打ち切ると発表した。伊藤忠は3月14日を期限とするTOB終了後に、臨時株主総会の招集を求める可能性があると明らかにした。両社の対立は決定的になった。

 伊藤忠によると、デサント側から第三者を通して申し入れがあり、2月中に4回にわたってTOB後の経営体制などについて協議したという。ただ協議中もデサントの石本雅敏社長が報道各社のインタビューなどで伊藤忠を批判する発言を繰り返したため「交渉態度の誠実性に疑問を持たざるを得ない状況になった」と説明。協議打ち切りを決めた。

 伊藤忠は、デサント側から企業価値向上策や経営体制についても具体的な提案がなかったと批判している。