情報セキュリティー展に初の日本パビリオン 本場・米で存在感アピール


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 情報セキュリティーの業界団体「日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)」が総務省の全面支援を受け、3月に米国で開かれる世界最大のセキュリティー展示会に「日本パビリオン」を初出展することが分かった。サイバー産業の本場、米国に乗り込んで独自技術をアピールし、他国に後れを取る国際展開の本格化につなげる考えだ。

 サイバー攻撃の脅威が増す中、セキュリティーの国際市場が急拡大しているが、米国を中心とする海外勢の製品が多くを占め、「日本は存在感が薄い」(政府関係者)という現実がある。攻撃の標的になるとみられる来年の東京五輪・パラリンピックを前に、国際市場で技術力を磨いて自前の防衛力を高めておく狙いもある。

 3月4日から米サンフランシスコで開かれるイベント「RSAカンファレンス」の展示会に出展する。JNSAに加盟するNEC、日立システムズなど企業7社と国立研究開発法人・情報通信研究機構(NICT)が参加。サイバー攻撃の分析ツールのほか、企業内で使われる多数のパソコンを一括監視し、情報流出といった事故を食い止めるソフトウエアなどを紹介する。

 RSAのイベントは毎年開かれ、世界中のセキュリティー業界関係者4万人以上が集まる。大規模展示会が一つの目玉で、イスラエル、ドイツ、中国、韓国などが毎年パビリオンをつくり、自国の技術をPRしている。日本は来年以降も出展を継続する方向で、規模拡大も検討する。

 政府は昨年決めた新たな「サイバーセキュリティ戦略」に国産セキュリティービジネスの強化を盛り込んだ。総務省は同戦略に基づき「グローバル展開」の調査費として、今回の事業に千数百万円を支出する。